発効と新しい期限

欧州委員会によると、「AI Omnibus」は2025年11月19日にデジタル簡素化パッケージとして提案され、2026年5月7日の政治合意を経て、7月27日に発効しました。これによりAI Actの高リスク義務の適用期限が延期されました。

区分主な対象適用開始
Annex III雇用(作業者の監視・評価など)、重要インフラなど2027年12月2日
Annex I製品に組み込まれたAI(機械規則2023/1230などの対象製品)2028年8月2日

AI Act自体は2026年8月2日に一般適用が始まり、透明性ルールと執行は動いています。延期されたのは高リスク義務の部分です。

機械規則との関係

AI ActのAnnex I Section B第21項には機械規則2023/1230が挙げられており、機械の安全部品として使われるAIは高リスクの対象になり得ます。Omnibusは、AI Actと機械規則などのEU製品安全法との重複関係を明確にしました。機械規則自体は2027年1月20日から義務が適用されるため、機械メーカーにとっては機械規則が先に来ることになります。分岐点の整理はEU AI Omnibusで期限延期で詳しく扱っています。

製造業への示唆

AI Act第6条1a項は、性能最適化・効率化・品質管理など安全以外の目的のAIは「安全部品」に当たらないとしています。製造業の品質・保全AIの多くは高リスク外になり得ますが、故障が健康・安全を脅かす場合は除外されません。

よくある質問

AI Actの禁止事項やAIリテラシー義務も延期されましたか?

禁止AI慣行とAIリテラシー義務は2025年2月2日から適用されており、Omnibusで延期されたのは高リスク義務の期限です。

品質検査AIは高リスクですか?

第6条1a項により、品質管理目的のAIは原則として安全部品に当たりません。ただし故障が安全に影響する場合は個別に判断が必要です。

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この記事を書いた人

株式会社サオス

株式会社サオス 製造DX部

DELMIA Apriso を中核とした MES / 製造DX の導入・運用・人材育成と、製造業向けAIの調査・開発・教育を手がけるITコンサルティング企業。ISO 9001:2015 / ISO 27001:2022 認証取得。 日本・中国・米国で製造業のMES・データ基盤・AI導入を手がけた実務者が、欧米・中国の一次情報にあたって書いています。